モニターの図案を立体的に動かしながら、微細なディティールを確認する。その度に数値を入れ直したりして、思い描く物を形にしていく。
生産現場で使う、新しい治具の開発。画面を食い入るように見つめる小森友樹さんは、生産技術課の課長だ。
生産技術課は、自社で使う工作設備の開発や修理を一手に担う。また、新製品の立ち上げでも重要な役割を果たす。多様な技術の引き出しや柔軟な発想が求められる職場だ。
モニターの図案を立体的に動かしながら、微細なディティールを確認する。その度に数値を入れ直したりして、思い描く物を形にしていく。
生産現場で使う、新しい治具の開発。画面を食い入るように見つめる小森友樹さんは、生産技術課の課長だ。
生産技術課は、自社で使う工作設備の開発や修理を一手に担う。また、新製品の立ち上げでも重要な役割を果たす。多様な技術の引き出しや柔軟な発想が求められる職場だ。
かつて小森さんは、工作設備を造る会社で技師として働いていた。縁あって九州タブチに転職し、生産技術課に配属された。
初めて依頼された仕事は、社用の懐中電灯の修理。自身のキャリアからすれば、あまりにも容易な業務だった。即座に仕上げて、何気なく依頼者に手渡した。そのときの反応を今も鮮明に覚えていると言う。
「『助かった。これがないと工程で困るんだ』と、小躍りするように喜んでくれました。
ハッと気づかされました。現場の力になれて、それを目の当たりにできる仕事であることに」。
以来、生産現場から信頼を得ることに、ひたすら心を砕いてきた。モノづくりの環境を進化させるためには、現場との絆こそが大切なのだと確信する。
「私たちの仕事は、それまでにない物を造ったり、新たな機能を付加したりと、言わば、正解が用意されていない仕事です。だからこそ、現場の本音が必要であり、それを引き出せる信頼関係が肝になるんです」。
生産現場の同僚たちは、仲間である一方で、仕事を依頼してくれる大切な顧客であると考えている。
受注の際は、いつも元気一杯に声を返す。
『はい、喜んで』と。